活動あれこれ

「公契約」で国分寺市に視察

2008年8月9日


公契約条例の制定をめざす国分寺市は、NHKの「クローズアップ現代」でもその取り組みが紹介され、私も興味をもって番組を見たことがありましたが、今回、視察の機会を得ました。

景気回復の実感がない中小企業にとって、低価格でも仕事を確保したい事業者と、金額の低いところで落札する行政側という今の契約制度では、事業者や下請けにとっては低賃金労働を余儀なくされ、行政や市民にとっては「安かろう悪かろう」の公共事業になってはいけないという課題があります。

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国分寺市は平成18年に、入札・契約制度の検討委員会を設置し、「公平で公正な入札・契約制度」「品質を確保することができる入札・契約制度」「市の経済の活性化を図る入札・契約制度」など、制度のあり方について調査検討し、公契約条例策定を目指す今の基本指針が策定されました。
これによって期待される効果として、次の8点をあげています。
「手抜き工事や下請けへのしわ寄せ等の防止」「労務単価や下請け等の代金支払い等に関する労働条件の適正化」「価格入札の適正化により不当な調達コストの排除」「価格以外による新たな入札方法の実施により適正な価格水準の確保」「複数年契約等による事務執行の適正化、及び事業者の負担軽減を図ることによるコスト削減」「就労困難者(障害者・子育て中の女性・母子家庭・若年者・高齢者)に対する就労の促進」「マニュアル等の整備により、事務手続きの客観性を促進」「市内業者の地域貢献度や市民活動団体等との協働事業の充実による地域社会向上へ寄与する調達が推進」
をあげています。
この考え方の基本にあるのは、適正価格でこそ、適正な労働条件と賃金水準のもとで、良質の事業が確保できるというもので、ひいては、地元業者が地域に貢献し、社会的な責任を果たすことができることにもつながります。
賃金のアップは、全体の福祉水準の向上につながるとのお話もうなづけるものでした。
ILOの勧告も批准しないわが国において、自治体が労働者の賃金の適正なあり方にまで触れたというところに、私は驚きと感銘を受けました。
国分寺市がここに至った背景には、以前より公契約条例の制定を求める関係者の運動や議会での取り組みがあったとのことでした。こうした労組からの陳情に対し、議会が「公契約とは何か」から勉強し、全会一致で陳情を採択したといった経緯もあったとのこと。
ちなみに市議会では、陳情も請願と同様に、当局を入れずに審議し採決を行うとのこと。本来はこうあるべきだと思います。
国の構造改革の下で、行政の持ち出しが少なければ少ないほどいいとする考え方、公より民でという安直な流れに合流するのではなく、市民の利益が行政の将来の利益につながる改革ということを考えさせられた視察でした。